最近、地元では大手の不動産屋さんが、チラシ広告に「売主様仲介手数料半額!」キャンペーンを打ち出されました。
自社の経営努力でやられることだから、大いに結構。
しかし、問題はここから。
その会社の業者向け物件チラシには「この物件が成約の場合、買主業者様から1%分を申し受けます」と書いてあるではありませんか?
つまり、買主にディスカウントした手数料分の穴埋めのために、買主側の仲介業者から1%分よこせという訳です。
これって、おかしいですよね。
われわれ不動産業仲介者は、売主業者は売主さんから、買主業者は買主さんから、それぞれ仲介手数料を頂きます。
そのために、媒介契約を結びます。
しかし、仲介業者同士で1%やり取りする契約はありません。
それは、売主様、買主様のそれぞれ相反する利益を保護するためです。
たとえば、この会社の物件を買いたいお客様にご紹介したいときに、通常3%+6万円の仲介手数料を買主様からいただけるのに、そのうちの1%分をその売主仲介業者に払わなけれればならないとすれば、せっかく買いたいお客様であっても、紹介するでしょうか?
結果、売主様、買主様両方がせっかくのマッチングチャンスを失うことになります。
このように、買主様の半額キャンペーンはお得のように見えて、実はそうでないこともあるのです。
十分に注意が必要ですね。
さてさて、ではこの場合、ぼくならどうするでしょうか?
正々堂々と、買主様に紹介し、もし成約しても、1%分の支払いは断固拒否するつもりです。
なぜなら、仲介手数料は買主様から正当に頂いたものであり、相応のリスクと責任に基づいたものだからです。